Doxygenで@parとリストを混ぜてみた
Doxygenの日本語訳マニュアルを見ていると、@parコマンドの説明に気になる記述がありました。
パラグラフタイトルがない場合、新しいパラグラフを開始します。 これは、他のパラグラフコマンド (\param や \warningなど) の内部でも機能します。その際、そのコマンドを終了させることはありません。
つまり、パラグラフコマンドに2つめ以降のパラグラフを追加できるの?単に同じようにインデントされるから、続いてるように見えるだけでなく?
というわけで、試してみることにしました。普通にパラグラフコマンドに続けただけだと、上に書いた疑問が拭い去れないので、じゃあ、リストに入れてみたらどうなんだ、ということで表題のようなことになったわけです。
リスト内@par
まずは実物をご覧下さい。
- 項目 1
- 項目 1.1
- 項目 1.2
- リスト内で改段
- @par で段落を作ってみる。 ここは項目 1.2の続き。
- タイトル無しの新たな @par コマンドで更に続きの段落。
- @par の前で行を空けても続きの段落。(ソース上はこの段落の前に空行が入っている。)
- 項目 1.3
- 項目 2
ソースのこの部分は以下のようになってます。
/// - 項目 1
/// - 項目 1.1
/// - 項目 1.2
/// @par リスト内で改段
/// @@par で段落を作ってみる。
/// ここは項目 1.2の続き。
/// @par
/// タイトル無しの新たな @@par コマンドで更に続きの段落。
///
/// @par
/// @@par の前で行を空けても続きの段落。(ソース上はこの段落の前に空行が入っている。)
/// - 項目 1.3
/// - 項目 2
@parコマンドの部分は、通常ならここまでは字下げされません。確かにリストの項目の中身になっているようです。それどころか、後続の@parの前に空行が入っても続きのパラグラフだと認識されるようです。
@par内リスト
次に、1つめの@parの前に空行を入れてみました。ソースはこうなってます。
/// - 項目 1
/// - 項目 1.1
/// - 項目 1.2
///
/// @par 1行空けてから段落を作ってみる
/// 行が空いたのでここはリストの続きじゃない。
/// - 段落内リストになった。(インデントされているが、行頭の記号が1階層目のになってる。)
/// - 下の階層
/// @par @@par はネストしない
/// リストの項目と行を空けずに @@par コマンドを書いてみた。
/// @@par コマンド内のリストの内部にはならず、リストが終了して新たな段落になった。
/// - 次の項目は新たなリストになる。
項目1.2の後に空行が入っているので、そこでリストの終わりとなります。前のパラグラフと繋げたいなら、1つめの@parの前には空行は入れられません。
生成されたドキュメントはこの様になります。
- 項目 1
- 項目 1.1
- 項目 1.2
- 1行空けてから段落を作ってみる
- 行が空いたのでここはリストの続きじゃない。
- 段落内リストになった。(インデントされているが、行頭の記号が1階層目のになってる。)
- 下の階層
- @par はネストしない
- リストの項目と行を空けずに @par コマンドを書いてみた。 @par コマンド内のリストの内部にはならず、リストが終了して新たな段落になった。
- 次の項目は新たなリストになる。
@parの内容の直後に空行を置かずに記述したリストは、インデントされてパラグラフに含まれています。いきなりリストの2階層目から始まった訳ではありません。行頭記号は1階層目に使われるものになっています。
更に、@par内リストの項目に続けて@parを書いてみました。その場合は、更に内側の階層になることはなく、そこまでのリストおよびパラグラフが終了して、新たなパラグラフとなりました。
リスト内@par内リスト
@par内リスト内@parは出来ないことは分かりました。では、もともと階層構造を持つリストについて、リスト内@par内リストはどうでしょうか。以下のソースで試してみました。
/// - 項目 1
/// - 項目 1.1
/// - 項目 1.2
/// @par リスト内で改段
/// @@par で段落を作ってみる。
/// ここは項目 1.2の続き。
/// @par
/// 新たな @@par コマンドで更に続きの段落。
/// - ここに下位の項目を作ってみる。
/// - もういっちょ。
/// - 更に下げてみたり。
/// @par
/// 新たな @@par は前の @@par と同じレベルに戻るらしい。
/// - @@par 直下のレベルに戻された。
/// (ソース上は「更に下げてみたり。」の行と同じインデント。)
/// - 項目 1.3
/// - 項目 2
結果は以下の通りです。リスト内@par内リストは出来ました。
- 項目 1
- 項目 1.1
- 項目 1.2
- リスト内で改段
- @par で段落を作ってみる。 ここは項目 1.2の続き。
- 新たな @par コマンドで更に続きの段落。
- ここに下位の項目を作ってみる。
- もういっちょ。
- 更に下げてみたり。
- 新たな @par は前の @par と同じレベルに戻るらしい。
- @par 直下のレベルに戻された。 (ソース上は「更に下げてみたり。」の行と同じインデント。)
- 項目 1.3
- 項目 2
今回使用したソースはこちら。SHIFT_JISなので、doxygenに掛けるときは INPUT_ENCODING を cp932 に設定してください。
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